2011年2月17日、北海道・東北7道県生協連灯油対策連絡会(事務局:日本生協連北海道東北地連)は、高騰し続ける灯油対策を求める緊急要請を、経済産業省と厚生労働省を訪れて行いました。この要請には、連絡会の座長の野崎和夫宮城県生協連専務理事、磯田朋子いわて生協常務理事、大友廣和山形県生協連専務理事、日本生協連の伊藤治郎渉外部長と北連海道東北地連の斉藤浩輝事務局員が参加しました。
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▲中山義活経済産業省大臣政務官に要請 |
▲要請の様子 |
●経済産業省の中山義活大臣政務官が灯油対策と監視の強化を約束
要請団は中山義活大臣政務官にお会いし以下を訴え、要請書をお渡しました。
宮城県生協連の野崎和夫専務理事が「灯油は北海道・東北に住む私たちにとって欠かすことができない生活必需品です。その灯油一缶が1,600円を超える高値で苦しんでいます。主な原因は投機マネーによって原油が金融商品化し異常な高騰を示すようになっていることであり、灯油価格上昇している理由は、原油高騰だけでなく、石油元売り会社が、円高差益還元を行わないばかりか、過去最低の在庫をテコに灯油価格を吊り上げていることです。仕切り価格の透明性に欠けています」と訴えました。いわて生協の磯田朋子常務理事から「岩手県生協連は灯油委員会を今年は5回開催し、毎回灯油価格の値上げの論議せざるを得ない状況です。先日は、岩手県庁に灯油対策を要望しました。さらに岩手県では、ガソリンスタンド・灯油販売所の廃業にともなって灯油の購入に苦労する灯油難民が増えています」と実情を伝えました。山形県生協連の大友廣和専務理事は、「消費者・国民が灯油の高値で苦しんでいるときに、石油元売り会社が前年比で5.5倍の利益399億円を上げていることは、異常であり、国民感情としても受け入れられません」と指摘しました。
経済産業省の中山義活大臣政務官は、「灯油やガソリンが地方ではライフラインになっていることを重視して対策を講じたい。石油元売りの在庫や仕切り価格については行政として監視を強化していく。中東の政情不安については心配している。来週サウジアラビアを訪問する予定だ。灯油価格については、地方自治体と連携をとり、便乗値上げがないように監視していきたい」と決意を述べました。
☆経済産業省へ提出した要請書はこちら(PDF 128 KB)
●厚生労働省に「福祉灯油制度」など弱者救済対策を要請
厚生労働省をおとずれた要請団は、社会・援護局を通じて、「福祉灯油制度」などの社会的・経済的弱者への救済策を内容とする、細川律夫厚生労働大臣宛の要請書をお渡しし、民生用灯油は、特石法の廃止で規制緩和が進み、価格抑制が効かないため、消費者・国民が一番被害を受けていることなどを説明しました。
☆厚生労働省へ提出した要請書はこちら(PDF 113 KB)
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▲厚生労働省での要請の様子(中央・磯田常務理事) |
●北海道・東北地域の生協は今後も灯油の安定供給と価格の透明性を求めて取り組みます
今回の要請で、北海道・東北地域の生協連合会は、東京を訪れ、北海道・東北に暮らす私たちにとって灯油がいかに重要か、その灯油の高騰が暮らしを苦しめているかを訴えるとともに、石油元売りの理不尽なやり方を指摘し、行政の監視・指導の重要性を理解し役割発揮を約束させました。私たちは、今後も灯油の安定供給と価格の透明性の確保を引き続き取り組んでいきます。灯油高騰への怒りの声を各地の生協にあげてください。
☆岩手県生協連の県への灯油要請行動の報告はこちら(2011年1月21日実施)
(写真提供:山形県生協連より)
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
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