岩手県生協連(滝沢市)は、2020年1月20日(月)、盛岡市内のアイーナ(いわて県民情報交流センター)において、県内8生協からの38名の組合員・役職員の参加をえて、標記の公開講座を開催しました。この公開講座は、岩手県生協連が、生協の組合員はじめ、県民の皆さまに日頃の生協へのご協力へのお礼と協同組合についてのご理解を深めていただくために開催したものです。
今回の講座には、関西大学の杉本 貴志教授をお招きし「競争より協同をめざして」というテーマでお話いただきました。
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▲会場の様子 |
▲講師:杉本 貴志教授 |
【講師の杉本 貴志教授の講演骨子】(当日資料より抜粋)
- ●概要:
- 協同組合と営利企業の違いを、サッカーチームを例に、1人のオーナーによるサッカーチーム運営とサポーターたちの出資による協同運営を比較して分かりやすく解説。さらに、ロッチデールの成功例とその後の原則の変遷、1995年のICA大会で採択された「協同組合原則」とその第7原則「コミュニティヘの関与」(「協同組合は、その組合員によって承認された方策をとって、コミュニティの持続的な発展のために活動する」)こそ、営利企業と協同組合の違いと説明。さらに、ユネスコの無形文化財に登録されたことの意義を社会的に認知させ、「安全・安心」を基礎に、「エシカル(倫理的)消費」を事業理念に据え、購買事業を軸に、東日本大震災で培った、助け合いの絆で、地域に密着し、コミュニティーへ貢献し、組合員中心の運営を行う、日本型生協の実現への期待、などを語りました。
- ●骨子:
- 「いま協同組合に何が期待されているのか」を考えるために、「そもそも協同組合とはどういうものだったのか」、「それがどう発展してきたのか」を振り返る。
■世の中に協同組合という事業体があることの意味は何だろうか?
- 協同組合と営利企業〜サッカーチームで考える両者の違い
- 原点としてのロッチデール〜なぜルーツなのか
- ロッチデール後の協同組合〜どう展開したのか
- 倫理的消費〜消費から社会を変えるということ
- 多様な組合員と地域にどう向き合うか〜現代協同組の課題
【参加者から寄せられた感想の紹介(抜粋) 】
- 「教育重視の原則」を聞いて納得。協同組合が「民間の非営利団体」というのが知られていない現状がショックでした。自分たちが知り・学び、伝えることが大事だと思いました。
- 生協は「一人は万人のために、万人は一人のために」を実践していることがわかりました。改めて、自分たちの活動の原点を確認できました。
- 「エシカル消費」とは、エシカル商品を積極的に利用することではなく、「なるべく買わないようにすることが第一」という話にうなずけました。
- 生協とスーパーの違いをわからず利用している組合員が多いが、私たちにも責任がある。協同組合の思想と実践がユネスコの無形文化遺産に登録された意味をきちんととらえる必要があると思います。
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
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