日本生協連(本部:渋谷区)は、2017年6月16日、都内のホテルイースト21東京(江東区)において、代議員総数656人に対し、656人(実出席:450人・委任出席:7人・書面:199)の出席のもとに、第67回通常総会を開催しました。会場には、本人出席の450人に傍聴者・報道動関係などを加えた約670人が参加しました。総会は、「2020年ビジョン・第2期中期方針)」、「2016年度事業報告・決算」、「2017年度事業計画・予算」「役員選任」「役員報酬の決定」の5議案を一括提案した後、全体討論に移り、加藤善正県生協連会長理事など17人が発言しました。嶋田裕之専務理事の総括答弁のあと、採択に移り5議案(含む役員選任)の全てを「賛成多数」で採択し終了しました。
岩手県からは、加藤善正県生協連会長理事はじめ、いわて生協(5人)、学校生協(2人)から8人が代議員として出席しました。
▲約600名超が参加した総会の様子
<総会の概要>
浅田克己日本生協連会長は、「昨年の熊本地震・鳥取中部地震・北海道・東北地方の豪雨被害など多くの地域での災害による犠牲者と被災地の皆さまに心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りします。そして、全国の生協がいち早く立ち上がり連携が取れた迅速な被災地支援をされたことに敬意を表し、今後も継続的に被災地の復興を支援していきます。格差と貧困、地球環境問題の深刻化、自国中心主義の強まりで不安定な国際情勢が進んでいる一方、国連では持続可能な目標の採択、地球温暖化対策の進行、核兵器廃絶に向けての会議が始まりました。私たちは、被爆者国際署名に取り組み、核兵器廃絶の世論を広げていきましょう。また、昨年11月には国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)により「協同組合における共通の利益を形にするという思想と実践」がユネスコ無形文化遺産へ登録されました。これは、現代において協同組合の前向きな社会・地域づくりが評価されたことにほかなりません。生協の助け合いの精神を生かした高齢者や子ども見守り協定、子育て支援、高齢者を独りぼっちにさせない、誰でもが安心して暮らせる地域づくりに向けて、ご一緒に進めましょう」と呼びかけました。
来賓は、厚生労働省の社会・援護局の定塚 由美子局長、同地域福祉課・消費生活協同組合業務室の山本 亨室長、日本協同組合連絡協議会(JJC)の奥野 長衛委員長(JA全中央会長)でした。定塚局長(塩崎靖久厚労大臣挨拶代読)と奥野委員長にご挨拶いただきました。
|
|
|
▲浅田克己代表理事会長 |
▲定塚由美子社会福祉
援護局長 |
▲奥野長衛JJC委員長 |
●全体討論で17人の代議員が発言。提案の5議案を「賛成多数」で採択。
嶋田 裕之専務理事(含む監査報告:福島 裕記常勤監事)が議案を一括提案しました。続く全体討論では、被災地支援と復興について、生協くまもと代議員:「現地の現状報告や全国からの支援に対する感謝、風化させない取り組みの必要性など」、福島県生協連代議員:「避難指示解除と帰還住民の減少、フクシマの子ども保護プロジェクト参加者延べ約8万人、『被災地5年レポート』の発行、第2原発の廃止と自然エネルギーへの転換を」、平和に関わる取り組みについては、長野県生協連代議員・沖縄県生協連代議員・廣部公子生協共立社代議員たちから:「被爆者国際署名の取組み、沖縄に来て辺野古と基地の現状を見てほしい、沖縄戦跡巡りで見る・知る・行動する必要性を感じた、憲法改正・共謀罪の廃棄をあきらめない」、岩手県生協連代議員:「協同組合のあり方、どういう協同組合人をつくるかが大切」、安心してくらせる地域社会づくりへの取り組みについては、ならコープ代議員・生協しまね代議員・コープあいち代議員から:「包括地位協定を自治体と結べる生協づくりを、孤立しやすい子育て中の組合員の参加の場所づくりを、地域の多数に参加してもらえる仲間づくりの取組みを」、事業に関する実践事例については、コープぎふ代議員・京都生協代議員・生協とくしま代議員・コープ九州事業連合代議員・大阪いずみ市民生協代議員たちから:「商品開発に生かされた組合員の声の反映、生産者に届けられた声、エネルギー事業の取組みの進捗、組合員・職員・生産者が参加意識を持てる仕組みづくりなど、大学生協連代議員:「奨学金問題の学習をみんなと一緒にやったからこそできたと実感」など幅広いテーマで17人から活発な発言ありました。
|
|
|
▲加藤岩手県生協連代議員 |
▲廣部共立社生協代議員 |
▲提案・まとめ:嶋田専務理事 |
●岩手県生協連加藤 善正会長理事の発言要旨(発言概要より抜粋)
第1は、「情勢分析」についてである。「歴史の大岐路に立っている」と深刻な指摘をしているが、その視座が「協同組合の価値と理念」に立たず、その変化の本質や要因、危険性について表面的な指摘に終わっている。 従って、協同組合としていかなる運動と事業によって対応をするべきか、特に運動面ではほとんど明示されていない点である。第2は、50年前(1966年)のICA原則改定において「政治的・宗教的中立の原則を削除」したことを、この「激変・岐路」という現在においても直視せず、「政治的・社会的課題」には真正面から、真摯に立ち向かう方針が出されていない点である。第3は、「人づくり」の重要性を掲げ、17年度より「全国生協・人づくり支援センターの設立」ということには賛同するが、その原点は「協同組合らしい生協の構築」に貢献する人づくりであり、内外の協同組合研究家、例えば「日本協同組合学会」などとの提携を図り、ユネスコの「無形文化遺産」登録を機に、「協同組合人」といえる人材の育成を基本としてほしい」
岩手県生協連加藤善正代議員の発言概要の全文はこちら【PDF:157KB】
●浅田克己会長が退任、本田英一代表理事会長などを選出
総会よび第一回理事会において、代表理事会長に本田 英一コープこうべ組合長理事(新任)、副会長に新井 ちとせコープみらい理事長(再任)、代表理事専務理事に嶋田 裕之(再任)、和田 寿昭(再任)、山本 克哉常務理事(再任)、藤井 喜継常務理事(再任)、福島 裕記常勤監事(再任)を決定し報告しました。浅田克己前会長は顧問に就任しました。
▲選任された会長・副会長・専務理事・常務理事たち
▲本田 英一代表理事会長
日本生協連のホームページの総会報告はこちら
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
|