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県生協連ニュース

13/11/15

〜私たちの目・耳・口をふさぎ、戦争をする国づくりをめざす〜

「秘密保護法案」の廃案を求める「緊急声明」 岩手の会

 

 岩手県生協連・県消団連などで構成する「平和憲法・9条を守る岩手の会」の加藤善正県生協連会長理事たち9人は、11月14日、岩手県庁において記者会見を開き、今国会に安倍政権が提出した特定秘密保護法案について、「私たちの目・耳・口をふさぎ、戦争をする国づくりをめざす秘密保護法案の廃案を求める緊急声明」を発表しました。

 加藤県生協連会長理事は「この法案が成立すれば、取材や報道が規制されるばかりか、国民の知る権利が脅かされる、わが国の民主主義の力が問われる歴史的大事件です。この問題の本質を広く県民に知ってもらい、廃案に追い込まなければなりません」と訴えました。

▲記者会見の様子

<発表した緊急声明>

私たちの目・耳・口をふさぎ、戦争をする国づくりをめざす

「特定秘密保護法案」の廃案を求める「緊急声明」

 安倍内閣は「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」を衆議院の特別委員会でわずか21時間の審議で可決し参議院へ送り、今度は「特定秘密保護法案」を上程し今国会での成立をめざしている。解釈改憲による「集団的自衛権行使」と合わせ、この「3点セット」はわが国の憲法を真正面から否定し、再び「戦争のできる国」にしようとする極めて危険な性格を持っている。

 特に「特定秘密保護法案」は民主主義の根幹である国民の知る権利、言論・表現の自由を脅かし、憲法の三原則(国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義)を根本から変える重大な危険性を持っている。

 危険な本質の第1は、「特定秘密」の「秘密の範囲」があいまいで、「秘密」を指定するのが「行政機関の長」という問題だ。政府の一存で秘密の範囲をいくらでも広げることができ、国民には「何が秘密なのかも秘密」とされる。自分が接した情報が「特定秘密」かどうかわからないまま処罰される可能性があり、基本的人権が大きく侵される恐れがある。

 第2に、国民主権や民主主義とは、取材・伝達・報道・意見交換が自由にでき、必要な情報が入手できるという基盤があってこそのものだ。情報公開は代議制のもと代表者に課せられた国民への義務である。もしこれらが制約・規制されてしまえば民主主義は成立しない。国民の代表である国会議員の国政調査権も、国会が行政を監視する権限だが、情報が統制されてしまえば権限は行使できず、主権在民も侵されてしまう。

 第3に、戦争放棄・戦力の不保持・平和的生存権を明記している平和憲法では、「軍事・防衛の情報は厳しく精査されなければならない」が、その妥当性を検証する仕組みを持たない「軍事機密の保護」の法制化は、憲法の平和主義に反する。

 このように憲法の基本原理を乱暴にふみにじる「特定秘密保護法案」に対する各方面からの反対・批判・廃案を求める世論は急速に広がっている。全国の「憲法・メディア法学者」142氏、「刑事法学者」129氏は、10月28日国会内で記者会見して「国民の目・耳・口を塞ぐ秘密保護法案に反対する声明」を出した。また、日本弁護士連合会(日弁連)をはじめ、全国各地の弁護士会も反対し意見書や会長声明を発表している。さらに、マスコミも多くの地方新聞が早くから社説などで反対の態度を表明し、最近は大手全国紙も明確な反対・廃案を打ち出している。

 「平和憲法・9条をまもる岩手の会」は2004年の結成以来、平和憲法・9条を守る「県民過半数署名運動」を推進し(現在まで30万余筆)、平和を願う県民世論の形成に努力してきた。私たちは安倍内閣がすすめる「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」「特定秘密保護法案」に断固反対し、早急に廃案を求める取り組みを広げることと「緊急声明」の発表を運営委員会で決定した。

 「岩手の会」に参加する「九条の会」や諸団体は、そのための学習会を地域や職場で積極的に取り組み、さらに廃案を求める集会や宣伝活動を計画し、広く県民の世論に訴えていく。また、「特定秘密保護法案」に反対する一点での個人・団体との共闘を呼びかけたい。

 この間の「岩手の会」の活動にご協力いただいた方々、現在、衆議院及び参議院で審議されている「特定秘密保護法案」「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」に危惧と不安を感じておられる県民のみなさんに、わが国が再び戦争への道を歩むことが無いようにそれぞれの立場で、できることに取り組まれることをお願いしたい。

2013年11月14日 平和憲法・9条をまもる岩手の会

<問い合わせ先>

平和憲法・9条をまもる岩手の会事務局(岩手県生協連、岩手県消団連内) 電話:019−684−2225