岩手県消団連(岩手郡滝沢村)など22団体が参加する「原発依存大転換のとき 県民世論を広げる二大学習講演会を成功させる会」(成功させる会と略)では、1月25日の経済評論家 内橋克人氏の第1回学習講演会(500人参加)にひきつづ゛き、2月17日、盛岡市のサンビル7階ホールにおいて、放射線防護学が専門の安斎育郎立命館大学名誉教授による「原発はなぜ危ないかー放射性物質は環境の中で今後どうなっていくのか?」をテーマにした学習講演会を開催しました。講演会には、平日にもかかわらず、若い母親たちをはじめ約450人が参加し、関心の高さを感じさせられました。安斎先生は「原子力の専門家として、福島の原発事故を防げずに申し訳ないと思う。廃炉には50年以上かかるとの覚悟がいる。国民は放射線の健康被害を“過度に恐れず、事態を侮らず、理性的に怖がる”姿勢を大事にし、原発事故後の試練の時代に立ち向かうべきです。また、一人一人が主権者として声を上げ、こうした国策を変えることが大事です」と話されました。参加者たちからは、「やっぱり原発はいけません。しっかりと声を上げていきます」「先生のお話で、自分たちの問題だけでなく、国のあり方の問題だということがよく理解できました」などの感想が寄せられました。
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▲安斎育郎名誉教授 |
▲会場を埋めた参加者たち |
<第2回原発依存大転換のとき学習講演会 要旨>
- ◇開催:
- 2012年2月17日(金) 10時30分〜12時30分 サンビル7階ホール(盛岡市)
- ◇講演:
- 「原発はなぜ危ないかー放射性物質は環境の中で今後どうなっていくのか?」
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- 安齋育郎立命館大学名誉教授・安斎科学・平和研究所所長
【要旨】原子力の専門家として、福島の原発事故を防げずに申し訳ないと思う。
(1)事故当事者3原則「隠すな・ウソつくな・故意に過小評価するな」が大事です。
(2)放射線影響の2類型⇒確定的影響と確率的影響(宝くじ型影響)。
(3)放射線被害を最小にするためにはしっこく持続的な努力が必須。外部被爆は放射線を出すものを除去し続けること。内部被爆を減らすには、食品の放射能汚染わ規制し続けること。
(4)福島原発事故の収束(廃炉)には50年以上かかると覚悟しよう。
(5) 放射線の健康被害を“過度に恐れず、事態を侮らず、理性的に怖がる”姿勢を大事にし、産地では怖がらず実態で怖がろう。
(6) 原発開発と核軍備との深い結びつきを理解し、原発反対の取り組みは微力だが、無力ではないことを確信し、国民一人一人が主権者として声を上げ、こうした国策を変えることが重要。
(7) 代替エネルギーや電力貯蔵技術の可能性は高い。原発推進の予算をそちらに集中すべきです。
<感想からの抜粋>
- 被災地復興の遅れ、放射能汚染除去のむつかしさなど、憂鬱になるこの頃ですが、先生のお話で元気モリモリ湧きました。
- 問題の本質は国のあり方だということがよくわかりました。
- わかりやすく真実をつくお話でした。問題の背景が奥深く、国民一人ひとりが、自分の問題として、考え政治参加し意見を出していかなければならない。もっと勉強して、活動声を出していきます。
- やっぱり原発はいけませんね。今しっかりと声を上げないと原発が再稼働されそうです。私のできることや署名活動に取り組みます。
- 放射能汚染問題は報道するが、原発廃止には触れない報道の姿勢は問題です。
<問い合わせ先>
岩手県生活協同組合連合会 電話:019−684−2225
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