県内の消費者団体・生協など15団体で構成する岩手県消費者大会実行委員会(事務局:県消団連内、岩手郡滝沢村)主催の「2011年岩手県消費者大会」は、2011年10月28日)、サンビル(盛岡市)において、市民や構成団体のメンバーなど約450人の参加で開催されました。今年は、「3月11日の東日本大震災と原発事故という未曾有の事態の進行の中で、わが国に何が起きているのか」をみんなで考えあい、「どうしたらよいのか」を話し合った意義深い大会になりました。
午前中の全体会は、高橋克公大会実行委員長の挨拶、岡田知弘京大大学院教授の基調講演、「脱原発」と「生活復興」の2つの大会決議の採択を行い、全体会を終了しました。
午後は「食料・農業」「環境・エネルギー」「社会保障」「平和」の4分科会に分かれ、大震災後の消費生活と復興などについて意見交換をしました。参加者からは、「(岡田先生に)復興への道の手がかりを具体的に話していただき、前向きな気持ちを持てました」「これからの復旧・復興に向けて、協同の取り組みの重要性が確認できました」「地域のコミュニティの大切さがよくわかりました。地域住民主導の復興が進むことを願い、訴え続けたい」などの感想が寄せられました。
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▲基調講演:岡田知弘京大大学院教授 |
▲全体会場の様子 |
<2011年岩手県消費者大会の開催概要>
- ◇開催日時:
- 2011年10月28日(金) 10時30分〜15時
- ◇開催場所:
- サンビル(岩手県産業会館)7階ホール
- ◇プログラム:
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午前の部:全体会 10時30分〜12時30分
□主催者あいさつ:高橋克公 岩手県消費者大会実行委員長
震災から8カ月たったが、被災者は仮設住宅に移り避難生活という厳しい状況が続いている。地域では特に就労問題が厳しく、新卒者はもちろん、40代・50代はさらに厳しい、これで復旧・復興ができるのか。原発事故による放射能汚染の中で暮らさなければならない。暮らしと核は結びつかない。私たち一人ひとりが考えなければならない課題です。
□基調講演:「大震災と原発事故で見えてきた社会のひずみと復興への道
〜生活再建を中心に地域経済・社会の再生を!」 岡田知弘 京都大学大学院教授
(1)大震災は人災の原発事故と二次・三次の震災関連被災で広範囲に被害を出し、いまだに被害を出し続けるという未曽有の大災害。
(2)政府の復興政策・計画は災害問題を東北地区に矮小化しているばかりか、TPP推進・消費税増税・道州制推進・市町村合併にすり替え、構造改革路線の再来を目論んでいる。
(3)復旧・復興は、一人ひとりの人間を大切にして、インフラ整備はすべて国が負担し、二重ローンを速やかに解決し、事業を復活させて雇用を確保することと、生活を再建させることが急務。
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▲挨拶する:高橋克公大会実行委員長 |
▲熱く基調講演する岡田知弘教授 |
□大会決議を参加者一同が満場の拍手で採択し、後日総理大臣に提出することを確認。
(1)「原子力発電所を廃止し、再生エネルギーへの転換を求める決議」(PDF 92 KB)
(2)「生活再建中心の一人ひとりの住民が救済される震災復興を求める決議」(PDF 89 KB)
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▲原発決議:亀卦川瑞枝さん
(県母親大会連絡会) |
▲生活再建決議:川守田栄美子さん
(いわて生協) |
午後の部 : 分科会 13時10分〜15時 |
参加者4分科会合計:193名+事務局 |
第1分科会「食料・農業を考える」 参加者:62名
「岩手の農水産物を食べ続けたい/復興に逆行するTPP参加」
第2分科会「環境・エネルギー問題を考える」 参加者:73名
「21世紀の課題 食料・環境・エネルギー・脱原発と再生エネルギーの可能性」
第3分科会「社会保障問題を考える」 参加者:32名
「震災を乗り越え、憲法13条の“幸福追求”をめざし〜私たちが願う安心の医療・介護を考える」
第4分科会「平和問題を考える」 参加者:26名
「次世代を担う子どもたちに、平和な未来を手渡すために」
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▲第1分科会「食料・農業問題」 |
▲第2分科会「環境・エネルギー問題」 |
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▲第3分科会「社会保障問題」 |
▲第4分科会「平和問題」 |
<岩手県消費者大会実行委員会構成15団体>
いわて生協・岩手県学校生協・盛岡医療生協・岩手大学生協・盛岡大学生協・岩手県生協連・岩手県労働者共済生協(全労済)・消費者信用生協・岩手県生活問題研究会・新日本婦人の会岩手県本部・i女性会議岩手県本部・岩手県母親大会連絡会・岩手県母と女性教職員の会・岩手県退職女性教職員の会・JA岩手県女性組織協議会
<問い合わせ先>
消費者大会実行委員会事務局(岩手県消団連内) 電話:019−684−2225
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