岩手県生協連(本部:岩手郡滝沢村、加藤善正会長理事)は、9月15日、岩手県水産会館(盛岡市)において、「2011年度灯油学習会」を開催しました。学習会では、二宮厚美神戸大学教授に「今年はどうなる、原油と灯油〜3・11以後の国民生活とエネルギー問題〜」と題する講演をいただき、約70名が出席し学習しました。続いて、「県生協連灯油委員会」を県内の生協の関係者30名で開催し、当面(9月26日〜10月30日)の「配達・定期巡回価格:1L89円(1缶1,602円)」と「電話注文価格:1L90円(1缶1,620円)」を決定しました。委員会終了後に、県生協連、県消団連、いわて生協、県学生協の4団体は、岩手県に要請活動を行い、県知事宛の要請書を提出しました。
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▲灯油学習会の様子 |
▲講師:二宮厚美神戸大教授 |
●「今年はどうなる、原油と灯油〜3.11以後の国民生活とエネルギー問題〜」(レジメ)
二宮厚美神戸大学発達科学部教授
■暮らしを脅かす石油、灯油問題
1.08年夏の石油投機、灯油高騰の背景と教訓
2.3.11後の投機相場の再来
3.なぜ、世界的投機による原油、資源、食糧投機が起こるのか
- グローバル化のなかの経済の新自由主義化の進行
- 新自由主義が呼び起こす格差社会化と過剰資金の形成
- 資源、食糧などの金融資産化と投機的変動
■3.11の教訓を生かした国民生活防衛の課題
1.3.11が残したもの〜人間の生存のための社会的・自然的条件の破壊
→住宅・港湾・道路・施設・農地等の社会的再建の課題
→生存条件確保のための「脱原発「原発ゼロ社会化」
2.3.11が問いかけた平常時のライフラインの確保
→3.11で問われたライフラインの需給ギャップの拡大
→ライフライン確保のための公的制度の確立の必要性
3.格差社会における生活保障とその財源策
→投機の源泉となる過剰資金の吸い上げと有効活用
■おわりに 震災復興と一体になった生活防衛策が重要
●灯油委員会:当面の配達・定期巡回価格:1L89円(1缶1,602円)」などを決定
灯油委員会には、生協の関係者30名が出席し、今冬の灯油運動の計画を交流し、灯油価格については需要期前で見通しが立たないことから、当面(9月26日〜10月30日)の灯油価格を決めました。この価格は、夏価格92円からは、市況を冷やすために3円下げましたが、昨年同時期より1L14円、1缶252円と高い灯油になっています。
加藤善正会長理事は「東日本大震災では寒い時期に灯油が出回らず、配達できずに寒さに震える被災者が数多く出ました。今年も、安定的な量確保、福祉灯油の実現、被災地の灯油の流通をどうするのかなどを要求していきますが、消費者の灯油に対する運動がますます重要になっています」と訴えました。
■配達・定期巡回価格:1L 89円 (1缶 1,602円)
■電話注文価格:1L 90円 (1缶1,620円)
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▲灯油委員会の様子 |
▲県に要請書を提出する代表たち |
●被災者支援の新制度・灯油の量確保・福祉灯油実施などを県に要請(4団体)
灯油委員会の終了後に、県生協連の加藤善正会長理事をはじめ、県消団連、いわて生協、県学生協の代表たちが、県の環境生活部に要請活動を行い、県知事宛に要請書を提出しました。
■要請書の要点
1. 国に対して、以下の内容の働きかけを行うこと。
- 「被災者支援灯油」など救済のための制度を新設
- 「福祉灯油」の実施と農林漁業者や零細中小企業の緊急の支援対策
- 「原油への投機マネーの流入」規制と監視
- 石油製品の適正価格と安定供給のための「新しい石油行政」の構築
- 石油の流通に対し「行政の責任と役割を強める法律」の立法
2. 岩手県として、東日本大震災被災者救済「被災者支援灯油」、生活弱者支援のための「福祉灯油」への補助などの実施・拡充。
3. 岩手県で関係省庁・石油元売会社・消費者・事業者を集めた灯油懇談会を開催
☆県知事宛の要請書の全文はこちら(PDF 123 KB)
【参考情報】※お断り:日数経過すると削除されることがあります。
☆岩手日報Webnewsはこちら(2011年9月16日掲載)
☆岩日Onlineニュースはこちら(2011年9月16日掲載)
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
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