東日本大震災発災から3カ月を経過した6月15日、岩手県消団連(高橋克公会長)、岩手県生協連(加藤善正会長理事)などで構成する「いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワーク」(略称:いわて食・農ネット、荻原武雄会長)の代表は、岩手県庁を訪れ、6月15日に工藤孝男環境生活部長にお会いし「被災地の現状」について懇談の後、達増拓也岩手県知事宛の「津波被災地の食生活改善と放射能汚染対策を求める要請書」を提出しました。
要請に対して、工藤環境生活部長は「県南地域の牧草放射能モニタリングの継続と数値の公開、放射性物質の計測器の増設と調査対象の拡大をしていきます」と約束しました。
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<要請趣旨のポイント>
■要請者:
いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワーク会 長 荻原 武雄
岩手県消費者団体連絡協議会 会 長 高橋 克公
岩手県生活協同組合連合会 会長理事 加藤 善正
いわて生活協同組合 理事長 飯塚 明彦
■前提:(1)
震災発生から3ヶ月以上が経過しているが、避難所によっては、「おにぎり・パンが配布されるのみの食事もある」というところもあること、在宅避難や仮設住宅入居者には、物資の配布が停止され、生鮮野菜・蛋白質等、食料が不足する状況もあること、商店が少ない地域の居住者には、移動手段も必要最低限の現金も持たない者もいること。
■前提:(2)
5月13日、県内の牧草から暫定許容値を超える量のセシウムが検出されたことが発表され、その後の周辺11市町村の牧草検査では全市町村で基準値を下回ったことが20日に発表されたが、その間に県民には大きな不安が広がり、一関周辺の牧草からも基準以上のセシウムが検出され、農産物や住環境全般を含め、岩手県でも逃れないものであることを印象付け、今後の県民生活と営農を支える上では、万全の対策をもって臨むことが必要。
■要請事項:
- 避難所入所者・在宅避難者・仮設住宅入居者など津波被災者について食生活を緊急に調査し、充分な食料を供給して最低限の食生活を保障する体制をとること。
- 放射能汚染の調査をより細かい地域区分・品目・頻度で行い、データを発表すること。
- 被曝回避のための情報提供や除染を行えるよう体制を整備すること。
- 放射能汚染による被害県として東京電力に対して賠償責任を果たすよう働きかけると共に、被害農家の経営を救済するための対策を緊急にとること。
☆「津波被災地の食生活改善と放射能汚染対策を求める要請書」(全文)はこちら(PDF:86KB)
要請書を渡す荻原会長(左)と工藤環境生活部長(右)
<問い合わせ先>
いわて食・農ネット 事務局 岩手県生協連内 電話:019−684−2225
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