岩手県生協連(岩手郡滝沢村、加藤善正会長)は、2010年12月10日、盛岡市内の岩手県水産会館において、「TPP(環太平洋経済連携協定)を考える緊急学習会」を開催しました。当日は、県議や市議をはじめ、生協や他団体などから約120名に参加いただきました。
●TPPで日本の未来と私たちのくらしはどうなるの?
今回のTPP問題は、農業だけでなく、国内の多くの産業に大きな影響を与える問題です。「TPP参加」に関しては、国民的な課題として広く検討されるべき問題です。大田原北大名誉教授は、北海道におけるTPP参加反対運動を軸に、協定の内容、性格、平成開国論の危うさ、政府のこの問題に対する認識の浅さなどを分かりやすく説明されまました。私たち生協では、組合員や地域社会の願いのために、協同組合の価値・理念・原則にそって運動していきます。今回は、社会的、国民的論議にむけての問題提起としての学習会として緊急に開催しましたが、今後も、県民・住民の立場から、「農林漁業、食料・食の安全、環境、労働市場、地域産業、医療、金融など、くらし全般に与える影響と未来を」追求し、多くの団体や協同組合と連携して、この問題を考えて行きます。
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▲主催者挨拶:加藤善正 県生協連会長理事 |
▲講師:太田原高昭 北大名誉教授 |
<TPP(環太平洋経済連携協定)を考える緊急学習会の概要>
- ◇講演:
- レジュメ「TPPが日本の未来と私達のくらしに与える影響」
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- 講師:太田原高昭・北海道地域農業研究所顧問・北海道大学名誉教授
- 【要旨】:
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- TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは何か?
- 「平成の開国―バスにのりおくれるな」論の吟味。
- 「農業は国民経済の1.5%」という驚くべき認識。
- 北海道におけるTPP参加反対運動とその特徴
☆当日の講演のレジュメはこちら(PDF:174KB)
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▲会場の様子▲ |
<参加者アンケートより抜粋(自由記述)> (※数字は同主旨の回答者数)
- わかりやすいお話だった。(11名)
- 多くの方にこの話をして、反対運動を盛り上げていきたいです。(9名)
- WTO、FTAなどいろいろあるので理解しにくかったが、違いがわかった。(7名)
- 北海道の話は興味深かった。(7名)
- TPPに参加した場合に、労働市場、医療、金融経済にも深刻な影響を与えることに驚いた。この面についても学習する必要があると感じた。(6名)
- TPPの本質が少なくとも生協組合員に理解され、自分たちのくらしに直結する問題だとみんなが思うようになるために、今日の学習会は不可欠だと思っています。(4名)
- 北海道を見習うべきと思う。(3名)
- TPPに参加しては絶対にいけない、危険なことということを再確認できた。(2名)
- テレビなどの情報はとても偏っている気がする。(2名)
- TPPが及ぼす影響があまりにも多様多方面にわたることを知った。
- 今後広い立場での学習会が必要と感じられた。農家だけの問題ではない。国民全体で考えなければならない大事なことだと再認識させられた。
- 経済は難しい問題と思っていたが、くらしを生活者として「何が必要(重要)」と考えると、おのずと答えが出ると思った。
- 日本の農林漁業を再生させるためには直接所得補償がどれだけ大切かわかった。ヨーロッパのように日本も農業を基盤にした地域経済作りをすることが大切だと思いました。
- TPPはまたもやアメリカの戦略であること、日本もEUに見習い、農林漁業を基礎に産業を発展させるべきだと思いました。
- 外部経済価値を含めた所得補償をしてあげたら、農家の皆さんも元気になって、地域経済も今よりもっと活気が出てくるような気がしました。自然を守る仕事に就く人も増えてくるのではないでしょうか。
- 農業を大事にする国になってほしいし、「バスに乗り遅れるな」ではなく、バスの行き先、自分の行き先を考える日本であってほしい。
- もっと若い方にも理解してほしい。子どもでもわかる学習会があったらと思う。
- 生協連がニュートラルな立場で課題討論の場を設けることは大事。国民・県民・生活者が一人で判断できないことをみんなで考えること、情報・材料を共有すること。
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
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