岩手県生協連(岩手郡滝沢村)が事務局をつとめる映画「こつなぎ」上映運動を進める岩手の会(岩手県生協連内)が主催の映画「こつなぎ〜山を巡る百年物語※」の上映会が、2010年7月31日(土)に、盛岡市内のプラザおでってホールで、追加の2回を含め計4回の上映会が行われ、550人の方にご覧いたただきました。当日は、映画「こつなぎ」上映運動を進める岩手の会の早坂啓造世話人代表が「現在の環境問題や産林業の危機などを考えた時、この小繋事件の意義は深いという思いからこの映画を上映しようと50人を超える各界各層の方が呼びかけ人に参加してくださいました。この映画を見て地域社会の崩壊について考えて欲しい」と挨拶しました。また、この映画のプロデューサーの菊地文代さんも会場においでくださり、制作の経過や意義などに触れた挨拶をいただきました。また、ご覧になった方たちからは、「入会権について改めて勉強しようと思った」「描かれたテーマは今日に繋がる深い問題だと思いました」などの声が寄せられています。
※この映画は、一戸町小繋の山林入会権の裁判「小繋事件」をまとめたドキュメンタリー映画です。50年前に3人のジャーナリストが取材した膨大で貴重な記録と膨大なフィルムをもとに、株式会社周(東京都、菊地文代代表)がプロデュースし、中村一夫監督が7年かけて2時間の映画にまとめたもの。2009年に完成し、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2009」の特別招待作品として上映され、2009年度「キネマ旬報」の文化部門の第2位を獲得し話題を呼びました。
☆映画「こつなぎ」上映実行委員会のHPはこちら
●これからも県内で上映会を予定!あなたの街でも上映会の企画を!
今後も県内各地で上映が予定されています。秋には一戸町や一関市、12月には陸前高田市で上映会を予定しています。また、今後も県内各地で上映するために、協力を要請中です。
あなたの街でも上映会を企画しませんか?文末掲載の事務局にご連絡ください。
ぜひ多くの方に鑑賞いただき、小繋事件について知り考えてほしいと思います。
また、8月29日には、映画「こつなぎ」の舞台をめぐる「小繋ツアー」を企画しました。
●感想の紹介(抜粋)
- 入会権は、自然と人間が調和の取れた生き方の継続できる自然法と思う。権力がその調和に境界線を引いた。法は自然法を無視した横暴だと思う。課題を提供してくれた映画だと思う。
- 私の父(生存していれば100歳)が昭和20年代にこの事件を知り、小繋に入りました。警察にあとをつけられ、小鳥谷で下車し歩いていったとのことでした。私が勤めていた県農地課にカシムラの息子(大学生)がアルバイトできていました。いろいろな思いでこの事件は記憶しています。封建的な北国の人たちにも強い団結のあることをうれしく思うと同時に、今村を継ぐ人々がいなくなることをさびしく思います。「地球あってこその人間」感動的です。
- 非常に今日に繋がる深い問題だと思いました。時代の変化とともに本来、太古の昔から受け継がれてきた土地・人間の文化・営みを軽んじた政府他地域による自然へのリスペクトを欠いた判断が伐採した樹木と同じように人間界(社会)においても簡単には元に戻せない現実を映し出していました。こういった小さな部落の歴史・伝承を残す作業がこれからのわれわれ世代の課題と捉えています。上映ありがとうございました。
<お問合せ先>
映画「こつなぎ」上映運動を進める岩手の会 電話:019-684-2225 (岩手県生協連)
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