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県生協連ニュース

09/12/25

岩手県生協連主催「2009年第1回協同組合講座」報告
〜変化する社会情勢のもとでの生協の役割を学ぶ〜
 

 岩手県生協連(本部:岩手郡滝沢村)は、「2009年度第1回協同組合講座」を、11月12日に開催しました。この講座には県内の6生協から47名の役職員が参加しました。県生協連では、今日の変化する社会情勢や組合員のくらしから協同組合運動の存在意義や果たすべき役割などについて学び考え合うために、この「協同組合講座」を開催しました。講座は、2つの講演と参加者によるグループ討論を行いました。

<「2009年第1回協同組合講座」の概要>

●講演1:現在のくらしをめぐる危機的な状況と「協同組合」の可能性(要旨)
講師 協同総合研究所 岡安喜三郎さん

(※文責:県生協連事務局。講演要旨の一部を事務局で要約したものです)

  • レイドロー報告から30年、現在の日本の状況は、サブプライムローンの崩壊、リーマンショック、派遣村問題、就職口が少なく若者が未来を感じられないなど、これが続けば、日本の社会は崩壊していく。こういう中で協同組合がどのような力を持つべきなのでしょうか。
  • レイドロー「西暦2000年の協同組合」を報告。
    『このような岐路の時代には、もし世界が奇妙な、時には当惑させられるような道筋で変化しつつあるなら、協同組合もそれと同じ道筋で変化していくべきなのか。その方向とは決別して、別の種類の経済的・社会的秩序を創ろうとしてはいけないのか』
  • 「なぜ人々は、生協の組合員になってくれるのだろうか。」
  • 組合員が信じ支持したいと思う生協とは・・・農協などいろいろな協同組合が本当に連携することで、今の社会との関係で代案的な事業、代案的な運動ができ上がってくるのではないかというのが私の結論的な主張です。
  • 社会で起きている一番の問題、関心がある問題について、やっぱりきちんと話ができるような協同組合。何か問題が起きた場合でも、生協では解決する策を持っているかもしれないとまわりが思ってくれるような協同組合。
  • 第7原則「コミュニテイへの関与」は今日的な重要性を持つ原則
  • 協同組合の「共益性」と「公益活動の担い手」の性格が地域を変える。
    協同組合がいろいろな形でひとつの地域で産業を支えることになる。その地域の産業のオルタナティブ、それが、これから21世紀の協同組合社会であり、レイドローが言った中身に近づいていくような気がします。

 ☆岡安講師の講演要旨はこちら(PDF 99 KB)

●講演2:岩手の生協の歴史とこれからの役割  講師 岩手県生協連会長理事加藤善正

  • 世の中が大きく変わる中で・・・
    世の中が大きく変わって、今までの価値観が成り立たなくなってきています。今まで私たちが感じている協同組合の姿という概念で、本当に役に立つのか考えていかなければいけない時代にきています。
  • 今はなぜ、組合員が組合員をふやせないのか。
    組合員にとって、生協は損か得かだけでしか映らなくなってきているのではないか。地域で生協に入っていない人たちも、やはり自分にとって損か得かで考えて、私は必要ないから入らない、すすめる方も、損か得かだけになってしまう。組合員に対する社会的な教育、社会的な運動は、自分でやってみないと体験できないようなことですから、それへの参加が非常に弱い。そういう取り組みがなかなかできなくなっているわけです。
  • 今、生協に問われていること。
    人々がばらばらになっている地域のコミュニティにおいて、生協の力が少しは役に立つためには、もう一度、私たちが生協の歴史を学んで、そこに何があったのか、組合員や職員はどういう思いで参加していたのか、それがだんだん変わってきたのはなぜか。そして、これからもう一度、そういう状態をつくることができるのか。時代が変わったからそんなことはできない、というふうに割り切ってしまうのか。ここが今問われていると思うのです。
  • 今こそ「下向き・外向き・前向き」の発想が大事です。
    人間個人も組織も運動団体も、厳しくなればなるほど、「上向き、内向き、後ろ向き」になります。組合員のくらしや思いから一体何をなすべきかを考えるという意味では、今こそ「下向き・外向き・前向き」の発想が大事だと思います。
    5年後、10年後・・・本当に世の中に役立つ、地域社会に貢献できる、そういう協同の輪をつくっていく上で、地域の様々な方々といっしょに、力を貸したり借りたりしながら、輪を広げていくことが求められる時代に入っているのだということを考えてほしいと思います。

 ☆加藤講師の講演要旨はこちら(PDF 97KB)

講師:岡安喜三郎さん 講師:加藤県生協連会長
講師:岡安喜三郎さん 講師:加藤県生協連会長

●討論「これからの生協が、県内や地域で果たすべき役割・取り組むべきだと思うこと」

 2つの講演を受けて、受講者たちは、グループに分かれ、「これからの生協が、県内や地域で果たすべき役割、取り組むべきだと思うこと」について話し合い、これからの生協の役割と課題についての認識を新たにしました。

【「グループ討論の中で出た意見」より一部を抜粋しました】

  • 『雇用』を生み出す活動が重要だと思う。
  • 若い人に「コミュニティ」のよさを伝える。
  • 地域の様々な問題にアンテナを高くし信用される存在になることをめざしたい。
  • 「組合員を見た活動」から、「地域を見た活動」へチェンジ。
  • いろんな生協や協同組合が連携することで「活動」がより大きくなる。こういう話し合いの中で「活動」を考えていける。

<問い合わせ先>

 岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225