今、世界中で、オバマ大統領のプラハ発言以降、「核廃絶社会の実現」に向かって進もうという機運が高まっています。先日の国連安全保障理事会は初めて、核兵器廃絶を目指す決議を全会一致で採択しました。反面、世界にはいまだに2万4千発の核兵器があり、拡散や使用の危険性もあります。
県内の生協ではこれから、※NPT条約再検討会議に向けて日本政府あての「非核三原則を守り、核兵器廃絶のために積極的な役割を果たすことを求める」請願署名に取り組みます。
そのスタートとして、岩手県生協連(本部:岩手郡滝沢村、加藤善正会長理事)と県内の生協は、2009年10月15日、岩手県水産会館(盛岡市)において、「核兵器廃絶学習会」を、県内の生協の組合員・役職員80人の参加のもとに開催しました。
※NPTとは・・アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国の5カ国以外の核保有・開発を禁じる一方、原子力の民生利用(原子力発電など)は認め、5カ国には核軍縮の義務を課すもので、核軍縮を定めた唯一の条約です。現在189カ国が加盟し、5年ごとに再検討が行われます。
前回(2005年)の会議では、核廃絶に向け消極的だったアメリカにより実効ある合意を得られませんでした。
この学習では、2010年に開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議を成功させ「核兵器のない世界」の実現に向けて、現在の国内外の情勢、わが国の果たすべき役割、生協の果たすべき役割などについて、ジャーナリストの岩垂弘氏(元朝日新聞記者)と斉藤政一岩手県被団協会長のお二人からの講演で学習し、さらに、岩手県生協連から「政府に唯一の被爆国として積極的な役割を果たすことなど求める請願署名」の取組みを提案しました。
<「核兵器廃絶学習会」の概要>
- ◇主催者:岩手県生活協同組合連合会
- ◇参加者数:80人
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◇学習講演1 「核兵器廃絶のために、いま求められていること」講師:元朝日新聞記者 岩垂弘さん
- I. オバマ大統領のプラハ演説がもたらした衝撃(演説の核心は何か)
- II. オバマ演説を生み出したものは何か(元米国政府高官の提言・核テロへの恐怖)
- III.背景に世界的な原水爆禁止運動の存在
- IV. その中で日本の運動はいかなる役割を果たしてきたか
- V. 生協による平和運動どんな役割を果たしてきたか(運動の「統一」と市民運動化に貢献)
- VI.「核兵器なき世界」は来るのか、その展望と課題
- VII.今、運動に求められているもの(「平和とよりよき生活のために」の再確認を)
学習講演2 「被爆者の思い」 講師:岩手県原爆被害者団体協議会 齋藤政一会長
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◇行動提起「岩手の生協の核兵器廃絶に向けた取り組み」金子成子岩手県生協連専務理事
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@請願署名「非核三原則を守り、世界から核兵器をなくすために積極的な役割を果たしてください」
以下の3項目の請願署名で鳩山由紀夫内閣総理大臣に提出し、わが国に核廃絶に向けて積極的にリーダーシップを発揮することを求めるものです。
- 平和憲法・9条を持つ国として、また世界で唯一の被爆国として、核兵器廃絶のために、国際的な場で積極的な役割を果たしてください。
- 特に、2010年開催のNPT(核不拡散条的)再検討会議では、核保有国に対し、核兵器廃絶にむけた具体的な約束が進むように働きかけてください。
- 『核密約』問題をきちんと解明し、「非核三原則」を守ってください。
- A核保有国、国連、日本政府等に「メッセージ」を送る取り組み
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B来年のNPT再検討会議(ニューヨーク)に代表派遣
※署名用紙は以下からダウンロードし印刷してご利用ください
☆「請願署名用紙」はこちら(PDF168KB)
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◇参加者からの感想(参加者アンケートより抜粋)
- この学習会でオバマ大統領のプラハ発言の背景、生協(私たち)の役割が明確になりました。
- 斎藤さんのお話で、原爆は過去の話ではない、今でもその危険は大であるということを改めて知り、許されることではないと思いました。
- 被爆者のお話を聞くのは初めて。ひどいことが現実に起きたのだと実感し認識しました。生協でもこうした“場”をもっと提供してほしい。
<問い合わせ先>
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225 |