北海道・東北各県と長野県の生活協同組合連合会は、2007年12月3日、組合員のくらしを直撃している灯油価格の高騰や原油高に便乗した灯油の値上げに対して、「国は灯油の値上げを監視し、安定供給と価格の適正化実現するよう」、経済産業省資源エネルギー庁に緊急に要請しました。
要請行動には、各生協連の専務理事や事務局長、組合員理事ら29名が参加しました。
岩手県からは、県生協連の金子成子専務理事といわて生協の梅澤明美理事・本田多津子理事が参加し、経済産業省資源エネルギー庁と出光興産への要請を行いました。
経産省資源エネルギー庁に着いた要請団の福島県生協連の根本理事が、資源エネルギー長官宛の要請書を読み上げ、岸敬也石油流通課長に要請書を渡しました。
要請内容は次の三点です。
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国は、北海道・東北各地の灯油の在庫量の把握を実施し、安心できる量確保と安定供給を万全の体制でのぞむこと。 |
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国は、業界の意図的在庫削減コントロール、出荷規制、買占め、ヤミカルテル、などによる便乗値上げが行われないよう国内の石油元売り各社に対しての、調査・監視・指導の実施を強化すること。 |
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国は、国民に対し機敏に情報を提供すること。 |
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●資源エネルギー庁が便乗値上げに対して最大限の努力と情報開示を約束
これに対して、資源エネルギー庁側は、「原油価格の高騰で日本の経済に深刻な打撃がでている。これから寒さが厳しくなる中で、特に北海道・東北などの地方が一番厳しい。運送業・漁業・農業などへの影響も大きい。こういう中で、便乗値上げをすることは、社会的に許されない。元売り各社については、現行法令上で取り得る対応を最大限していきたい。安定供給については、値上げの前の仮需が発生し、タンクローリー等の追加が追いつかない状況にあるようだ。消費者に灯油が行き渡っていない状況ではないと考えている。灯油の在庫なり、価格の情報提供については適確に行って行きたい。」と回答しました。
●生協の要請団「省エネ・厚着の自己努力は限界。外国への給油より安い灯油を!」
これに対して、要請団からは、昨年比で1g当たり20円以上の支出増になっており、緊急事態のなにものでもないと、これまで以上の行政の対応を強く求める声がでました。また、いわて生協からは「寒い時期に灯油が値上がりし、つらいです。なるべく厚着するなど心がけていますが、子どもも小さいし限界です。」「灯油値上げのため、主人が窓の内側に保温のためのビニールを張り巡らし、とても不細工でみっともないです。省エネも大事ですが、必要な灯油は使える程度の値段になってほしい。」と10日間に285人の組合員から集った声を紹介しました。
また「アメリカ軍には給油をして支援しているのに、国民には給油もしないのか」と国の施策に対する批判も出されました。青森県からは灯油高のあおりで、「ホームタンクから灯油が抜き取られる事件」まで発生していると、事態の深刻さを訴えていました。
このあと、生協要請団は、二手に別れ、新日本石油と出光興産に要請を行いました。
元売り二社への要請内容は次の三点です。
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北海道・東北に暮らす私たちにとって、欠かすことができない「灯油」の安定供給を昨年と同水準で実施されること。
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灯油価格は北国の消費者にとって公共料金にも等しいものであり、とりわけ高齢者、一人暮らしの世帯にとって値上げは大きな問題です。価格の変動に際しては、消費者の納得のいくコスト要因を公表されること。
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系列店に対しても、灯油の在庫をコントロールしながらの石油価格上昇コスト以上の高い価格を押し付けないこと。
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☆資源エネルギー庁・出光興産への要請書はこちら(PDF183KB)
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資源エネルギー庁石油流通課長に要請しました。 |
写真は元売りへの要請の様子(出光興産) |
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