人口推計からみても人口減少の動向であり、高齢化が進行する北海道・東北地区において、福祉・介護活動において、生協の取り組みへの期待が、社会的に高まっています。
北海道・東北地区の生協と日本生協連東北地連(事務所:仙台市)では、2007年7月4日、仙台市において、「北海道・東北地区生協福祉活動自主交流会」(座長:佐藤ふみこ・みやぎ生協理事)を開催しました。この交流会では、各生協の福祉助け合いの活動の現状と今後の課題についての共通理解を深め、「組合員の福祉活動と福祉事業活動」の交流をテーマにしたものです。交流会には、10生協・団体24名が参加しました。
交流会は、日本生協連から「生協の福祉ビジョンについて」の報告と、実践報告は、青森生協連から「ふくしdeまちづくり」報告と福島県生協連から「地域福祉計画策定要請活動」の報告がありました。最後に、参加生協からの活動報告と交流を行いました。
岩手県からはいわて生協が「コープくらしの助け合いの会活動時間は05年度22,155時間→06年度23,808時間に増加。07年度は、7月12日ワーカーズコープ発足。認知症セミナー開催、視覚障害者のためのリーディングテープ利用者懇談会の開催などが課題です」と報告しました。
<北海道・東北地区生協第1回福祉活動自主交流会の概要>
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報告「生協の福祉ビジョン〜高齢者介護と組合員の活動を中心として〜」 |
報告者:日本生協連福祉事業推進部 尾崎靖宏担当 |
この「福祉ビジョン」の目的は、事業の赤字という現状と多様な広がりを持った組合員活動について、大きな社会構造変化が顕在化する2015年の「ありたい姿」を提示し、生協での論議と実践をはかること、福祉事業と福祉活動の連携強化、事業インフラと組合員組織との連携強化、行政、地域諸団体、NPOとのネットワーク構築の上に立った「地域(福祉)づくり」への貢献などを提示しています。先ごろ制定された「生協法改正」の議論でも「なぜ生協が福祉を取り組むのか」について、相互扶助組織としての生協の基本理念から意義付けることの重要性や生協が福祉を担うことの重さを自覚することの大切さが強調されました。 |
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実践報告 |
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青森県生協連「ふくしdeまちづくり」の取組み |
報告:コープあおもり 新里伸夫さん |
「安心してとしょりたいすけ!(年を取りたいな)」をテーマにした八戸地区での実践例を報告。行政も参加する取り組みとして、3年目に入っています。 |
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福島県生協連「地域福祉計画」策定要請運動について |
報告者:菅田俊雄事務局長 |
行政の「地域福祉計画」の理念に、住民参加の必要性が述べられている点に着目して、市町村の地域福祉計画づくりに参画していくことの意義、計画策定要請の進め方についてを報告。具体的には、対象の9市の9月議会に向けて「請願書」を提出していく準備をすすめています。 |
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参加生協と報告・交流(生協名のみ1名、括弧内は参加人数) |
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参加生協: |
青森県生協連、コープあおもり、秋田市民生協、いわて生協、みやぎ生協(4)、あいコープみやぎ、生協共立社(2)、福島県生協連、コープふくしま(3)、コープあいづ(2)、介護ネットみやぎ(3)、日本生協連(4) |
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その他の報告・交流 |
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青森県生協連−「ふくしdeまちづくり」調べ活動を5生協が実施など。 |
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秋田市民生協−「一部地域でお食事会を初めて開催。お話会、絵本読み聞かせも開始。07年は、コーディネーターの養成、お食事会の定例化、男性ボランティアの増員などが課題」。 |
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みやぎ生協−「生協子育て世代応援、こーぷくらしの助け合いの会、地域での福祉活動と福祉事業の広がりなど」。 |
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あいコープみやぎ−「介護事業は障害者援助の増加全体110%伸長」。 |
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生協共立社−「07年度は、県内全域に助け合いの会を立ち上げ、全県活動交流会を予定」。 |
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コープふくしま−「助け合いの会は活動時間が増加など」。 |
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コープあいづ−「助け合いの会活動会員が減少。福祉施設・医療機関・社会福祉協議会などとの連携強化が進んだ」などの報告があり、交流し合いました。 |
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