地産地消運動を促進する岩手県協同組合協議会(加藤善正会長、事務局:岩手県生協連)では、2007年3月26日、盛岡市の県民情報交流センター(アイーナ)において、県内の生協の組合員と役職員、農林漁業関係者、栄養士などなど90人の参加のもと、「学校給食における地産地消と食農教育」をテーマとした実践発表・交流会を開催しました。この交流会は、学校給食に地産地消を取り入れ、子どもたちの食農教育に取り組んでいる事例を学び、地産地消運動を県内各地に広げようという目的で開催したものです。
交流会は、農業ジャーナリストの榊田みどりさんの講演、給食センターや学校給食調理場の栄養士からの実践発表、参加者との意見交流で構成され、活発な意見や課題が浮き彫りになるなど有意義な交流の場となりました。
<実践発表交流会の概要 3月26日(月)11時〜12時30分> |
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基調講演「学校給食と地産地消をより結びつけるために」(要旨) |
講師:榊田みどりさん(農業ジャーナリスト) |
「食育は栄養バランスや食習慣が注目されているが、食べ物が口に入る以前の問題から取り上げる必要がある。食は個人的行為と思われているが、海外の食料戦略・飢餓・環境問題と結びついており、社会的行為であることを解ってもらうプログラムが必要。『食卓の向こう側』を創造できれば、食はもっと豊かになる。学校給食は、農家・栄養士・料理家それぞれの食農教育を取り入れた総合的なプログラムの軸であり、親や地域を巻き込んだ取り組みが必要。」 |
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実践発表: |
紫波町学校給食センターと大船渡市立越喜来学校給食共同調理場の栄養士から「地場産物を活用した学校給食」の実践例。 |
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参加者との意見交流から抜粋 |
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自治体財政が厳しいという理由で民間委託が進み、地産地消や食育の後退が不安。 |
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栄養士一人の奮闘だけでは食材の需給調整が難しい。 |
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農村の高齢化が進み担い手育成が遅れている。食材を提供でき農家を増やしたい。 |
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榊田みどりさんと加藤善正協議会会長によるまとめの要旨: |
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次代を担う子どもたちのために何をするのかもう一度考えなければならない。 |
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財政難という現状ではあるが、予算をどう配分するかが問題。どんな家庭環境にある子どもでも、学校給食はみな同じでなければいけない。 |
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次代を担う子どもたちのために、お母さんの立場、地域住民の立場で学校給食について首長との懇談をしていくことも大事。 |
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岩手県は地場産の比率は高いが中身が充実することが課題である。 |
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