今年は、昨年とはうって変わって暖冬の年末・年始となりましたが、暖冬がこのまま続くのかどうかは不透明です。冬が長く寒い岩手に住む私たちにとって「灯油」は生活必需品(電気・水に等しい)であり、「適正価格で安定的に供給される」ことが願いです。
昨年は、こうした願いとは裏腹に、石油元売会社は、原油価格の高騰と、12月以降の記録的な寒波・豪雪を口実に、灯油価格の吊り上げをはかり、消費者の家計を圧迫し、地域経済に大きな影響をもたらしました。
いま原油価格は、06年10月に急落し、以降続落し58ドル台になっています。それにともないCIF価格も下落しているにもかかわらず、石油元売各社は系列販売業者に「07年1月の仕切り価格1円50銭(前後)の値上げ」通知を行っています。
また、ガソリン・灯油・軽油など石油製品価格が上昇し、施設園芸用暖房や漁船の燃料の値上がりなど農漁業生産者への影響、トラック・バス・航空などの運送業や食品加工・包装資材の製造・販売への影響は深刻です。このように農林漁業や中小企業が、原油高によるコスト増を製品に転嫁できずに苦労しているとき、石油元売各社が高収入を上げつづけ、原油価格の高騰をそく転嫁する企業姿勢はいかがなものかと思います。
今冬の灯油価格は、3年連続で高騰し、岩手県民生活センター発表の12月灯油配達価格は、18リットル1缶1,437円(1リットル79.8円)になっています。この価格は05年同時期と比較し147円、04年同時期と比較して381円の高騰となり、1世帯約1084リットル使用(いわて生協灯油利用組合員調査)では11,165円(04年では26,459円)の支出増となり、今でさえ厳しいくらしへの影響が一層深刻になってきています。
日本経済は、いざなぎ景気を上回る景気動向と言われていますが、岩手県でくらす私たちにはそうした実感はなく、くらしと地域経済がますます大変な状況にあるにもかかわらず、「市場競争原理主義」「規制緩和・構造改革」「官から民へ」の社会風潮の中で、「行政不介入」とする行政の責任や役割を見直し、国民の立場に立った行政施策の強化が必要ではないでしょうか。
灯油の需要期に入り、岩手県議会は、私たち県民の願いを国に対する意見書として採択し提出されました。
こうしたことを踏まえ、以下の、灯油の「適正価格と安定供給」「行政の施策強化」の実現について要請いたします。
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